雪舟筆 四季山水図 夏景図 ぎょうせい謹製 工芸 複製 掛軸 茶掛け 「山水図巻」が雪舟芸術の最高傑作であることは、何人も認めるところである。 縦三九.七センチメートルの紙十八 枚(最後の一枚は白紙)を継ぎ、全長一五.九二メートルに及ぶ、まさにその名にふさわしい厖大な長巻である。 山水を 主題とする画巻中、現存最長のものといわれる。 この「山水図長 巻」のいずれの個所で、一部分をたち切っても、その一図一図が、一分の隙も見せぬ四季の山水図を構成し、雪舟画の真 髄を見せてくれることである。 この長巻の偉大さを改めて認識させられる。 夏景図 岩と岩が押し合い、ひしめき合う山路をのぼってくると、どっかりと行く手をさえぎるように垂直にそびえる巨大な岩壁に突き当たる。 岩石のドラマの最高潮を見せる場面である。 その天をさす岩壁の直下にポッカリと穴をあけて路をくぐ らせる。 路は常に融通無礙である。 トンネルの中央の上からほとんど水平に生えた巨樹が、枝をねじるように激しい曲折を見せて張り出し、木陰をつくる。 時は夏の真っ盛りであるが、岩穴の中は暑さ知らずの涼風が吹き抜けているのであろう。 入口に近く二人の老士がくつろい で、しきりに話し込んでいる。 ひしめき合う巨岩の圧迫感に空洞をあけ、真夏の酷暑も忘れさせる。 大自然の中に溶け込 むやすらぎのひとときに、ほっと救われる思いにさせてくれる。 トンネルの左側にはどっしりと、三角形に裾を張る巨岩を配する。 その岩頭近く、老松がしっかりと根を岩にからませて、 枝を勢いよく空間に伸ばす。 枝には藤蔓が縦横にからみ、景趣をそえる。 深い谷に臨み、吹きつける嵐に耐える樹木が不 屈の強さを見せている。 トンネルを抜けると、山路は天にそびえる岩壁の下をたどり、崖縁を迂回しながら進むと、やがて岩陰に消えてゆく。 その路のはるか彼方には、ぼんやりと遠山が浮び上がっている。 二人の老士はいつ腰を上げるのであろうか。（解説書より） 寸法：（全体）高さ133cm 　幅65cm 　（ 画寸）高さ39cm 　幅60cm 状態は良好です。（共箱付き/写真参照） 宜しくお願い致します。